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Tipsとは、一般に、役に立つコツ・小技のことをいいます。

ここでは、アクティブ・ラーニング型授業支援制度に申請されている授業で使用されている教育手法、小道具・便利グッズや施設などを中心に、アクティブ・ラーニング型授業に役立つTipsを紹介しています。

教育手法

シンク-ペア-シェア

大規模クラスでも比較的簡単に実践できるアクティブ・ラーニングの技法です。与えられたテーマについて、学生たちはまず個人で考えて、次に、学生同士でペアになって自分が考えたことを説明し合います。最後に、教員がいくつかのペアを指名し、ペアで話し合った内容をクラス全体に紹介してもらうなどして、テーマについての考えや議論をクラス全体で共有します。ペアワークは、3人以上でのグループワークと比較すると、「話し合い」に要求される技術がさほど高くありません。そのため、教員があまり指導しなくても話し合いが成立することが多く、大きな失敗のリスクは低いと言えます。その意味では、「シンク-ペア-シェア」はあまり多くのコストをかけなくても、学生同士がお互いの意見や価値観を知ることのできる技法だと言えます。


活用例:教育原論 / 生物化学C / キャリア形成基礎論

ブレーンストーミング

意見や考えなどを発想するための技法です。「質より量を重視」、「他の学生のアイデアの模倣もOK」、「他の学生のアイデアへの批判は禁止」など、いくつかのルールの下で、限られた時間(3分~5分程度)で行うことが一般的です。ブレーンストーミングの際、付箋紙を用意し、学生たちがだしたアイデアを一つにつき一枚ずつ付箋紙に書かせると、続いて「KJ法」などに移行するのも容易です。

ちなみに、学生たちは普通ブレーンストーミングのような発想法のトレーニングはあまり受けていないので、それなりに回数をこなして学生たちが慣れてくるまで、あまり多くのアイデアをだすことを期待するのは難しいかも知れません。


活用例:スポーツコミュニケーション論

バズグループ

「バズグループ」は「バスセッション」と呼ばれることも多く、4~6名程度の小グループで特定のテーマで自由に話し合うことを言います。バズグループでテーマについて自由に話し合ったあと、その結果をグループごとに全体に報告し、クラス全体での話し合いにつなげる、といった使い方をするのが一般的です。

「バズ(buzz)」は少人数で活発に話し合う様子をなぞらえたものです(「バズ」はハチがぶんぶん飛ぶ音を意味しています)。人数の多いクラス全体での話し合いはなかなか活発になりくいものですが、発言が出やすい少人数での話し合いを踏まえることで、全体の議論も活性化させやすくなります。


活用例:キャリア形成基礎論

アイスブレイク

関係構築のためのさまざまなワークを言います。授業の初回や、グループワークの初回など、学生たちが緊張しやすい場面で行うのが効果的です。アイスブレイクには目的や狙い、構成員の違いによってさまざまな種類がありますが、自己紹介系のアイスブレイクは特に有用性が高いと言えます。例えば「大学から始める『言葉の力』育成プログラム」では、こちらのワークシートを活用しています。


活用例:早期臨床体験Ⅰ

KJ法

「KJ法」とは、意見や議論を整理し、発想を広げ、深めるための思考法で、その名称は創始者である人類学者の川喜田二郎のイニシャルに由来しています。一般的に、「KJ法」とは、付箋紙を活用してブレーンストーミングを行った後、模造紙などに付箋紙を貼っていきながら議論をまとめるワークを指して呼ばれています。この、一般的に「KJ法」と呼ばれているワークでは、まず内容の似た付箋紙を近くに貼ってひとまとめのカテゴリーにした上で、そのカテゴリーに名前を付けます。続いて、複数のカテゴリー同士に関係線を引き、どんな関係が成り立っているか、を記述していきます。

ただし、以上はあくまで一般的に「KJ法」として呼ばれているワークにすぎません。実際に川喜田二郎氏が、自身の著書『発想法』で展開しているKJ法は、これよりもかなり細かいものになっており(例えばKJ法にはA型、B型、B’型、AB型、など複数のタイプがあります)、一般的に「KJ法」として理解されているものとは異なっています。興味のある方はぜひ『発想法』(中公新書, 1967年)、『続・発想法』(中公新書, 1970年)でご確認下さい。


活用例:早期臨床体験Ⅰ

PBL

「問題基盤型学修」のことを言い、主にグループなどで、問題解決に向けて学生たちが能動的に取り組むタイプの学修形式を指します。


活用例:早期臨床体験Ⅰ

SGD

スモール・グループ・ディスカッション(small group discussion)のことを言います。学生が主体となって学修する少人数でのグループ討論が中心の学習形式です。


活用例:早期臨床体験Ⅰ

TBL

「チーム基盤型学修」のことを言います。チーム基盤型学修とは、100人以上の大規模クラスでも実施できるグループ学修の技法で、基本的には「個人に対するテストの実施」→「チームに対する応用問題の提示」という構造をしています。詳細については、例えばこちらをご参照下さい。


活用例:医学概論Ⅰ / 臨床医学入門Ⅰ

発問

発問は、学生たちの思考を活性化するための有効な手法です。適切な問いの投げかけは、学生たちの思考を、漫然としたものから、より方向性や志向性を持った精度の高いものへと導いてくれます。

また発問は、知識を単に受動的に吸収するのではなく、より能動的に吸収しようとする姿勢を促すためにも有効です。問いに対して、「分からない」「知りたい」という状態は負圧として働くため、学生たちはその問いに答えるのに必要な知識や情報を、より意欲的に取り入れたり、活用したりすることになります。

このように、知的な活動の中核的な部分を活性化するうえで、発問は大きな役割を果たします。特に、学生が思わず引き込まれ、答えたくなるような魅力的な問いを立てることができれば、学習成果の向上が期待できるでしょう。しかしながら、そうした問いを立てることは必ずしも容易であるとは限りません。学生たちの知識・理解、技能、態度・志向性などに応じて、問いの具体性や抽象度をコントロールするなど、工夫が必要です。


活用例:教育原論

反転授業

知識のインプットにあたる部分を、動画教材などを活用して授業の前に行い、知識の活用や応用に当たる部分を、ディスカッションなどを行って授業時間に実施する形式の授業を言います。教材の作成や、ディスカッションのデザインなど、通常の授業運営とは異なる部分での技術が必要になるので、かならずしもまだ十分に定着したスタイルの授業であるとは言えません。しかし、90分の授業時間内で知識のインプットとその応用や活用まで行おうとすると、一般的な形式の授業では時間が足りなくなるなってしまうという事態がしばしば生じます。反転授業は、こうした問題の解決のための有力な選択肢のひとつになるかも知れません。


活用例:生物化学C / 物理化学C

フィールドワーク

教室を出て実際に現場に足を運ぶ経験学習の手法の一つで、現場に潜在する課題の発見や、教室で学んだ仮説や理論の検証など、さまざまな目的のために活用できます。現場で生じうるトラブルやリスクなどへの事前の備えと、フィールドワークでの経験を話し合ったりまとめたりする作業を通じた事後の振り返りが重要になります。


活用例:地域教育デザイン論 / 専門演習Ⅰ、他/ マーケティングリサーチ

ロールプレイ

主に具体的なケースでのやりとりの技術や知識を身につけたり、確認したりすることを目的として、学修のプロセスの中に、特定の役割を、学生が実際に演技することを取り入れた技法のことを言います。


活用例:スポーツコミュニケーション論、他 / グローバル人材演習 / FEⅠ、他(桜井)

レゴ®シリアスプレイ®

レゴⓇ社が開発した“LEGOⓇSERIOUS PLAYⓇ”のことで、レゴブロックを用いて主にチームビルディングなどを目的として行うワークを言います。まずは提示された課題についておのおのがレゴブロックで作品を作り、続いて自分の作品について説明し、その後メンバーがその説明について質問や確認をしたりしながら話し合う、というのが基本的な流れになっています。


リテラチャー・サークル

リテラチャー・サークル(Literature Circles)は、1990年代以降にアメリカで行われるようになった読書会の方法です。グループで、主に次のような手順で本を読み進めていきます。

  1. 提示された本のリストから読みたい本を選ぶ
  2. 同じ本を読んだメンバーが3~5人でグループを作る
  3. その回に読むテキストの範囲をグループで決める
  4. 役割を決める(各自違った役割を割り当てる)
  5. 役割に基づき、メンバーが各自テキストを読む
  6. 役割に基づいてグループで話し合う

役割となるのは、以下の8つです。1~4までの係はグループに必ずおき、5~8までの係は選択とします。

  1. 結合係(Connector):テキストと自分とのつながりを見つける
  2. 質問係(Questioner):疑問を見つける、質問を作る
  3. 照明係(Literary luminary):優れた表現を見つける
  4. イラスト係(Illustrator):情景などを絵や図にする
  5. 要約係(Summarizer):要約する
  6. 調査係(Researcher):作者やテーマについて調べる
  7. 語彙係(Vocabulary enricher):特別な語をとりあげる
  8. 場面係(Scene setter):場面の特徴を捉える

このように役割を分担しながら読むことで、各メンバーが責任を持ってテキストを読解することや、活発な議論が行われること、あるいは異なる役割を持ったメンバーによる複眼視的読解が促されることなどが期待できると考えられます。

リテラチャー・サークルについては詳しくはこちらこちら等をご参照下さい(本記事も作成において以下を大いに参考にさせていただきました)。


教育ツール

ルーブリック

主に学生のパフォーマンスを評価するのに使います。パフォーマンスのどの部分を評価するのか、という「評価の対象となる項目」と、それぞれの項目について、具体的にどこまでできたらどんな評価が与えられるのか、という「評価のレベル」から構成されます(例えば、実際にレポートの評価に用いられたルーブリックがこちらです)。ルーブリックは、レポートだけでなく、プレゼン、グループワークなど、さまざまなアクティビティに用いることが可能ですが、いずれに用いる場合でも、事前に学生たちにルーブリックを配布しておくことがポイントです。それによって、学生たちはただ漫然とアクティビティを行うのではなく、ルーブリックに記述されている項目やレベルを満たすべく、意識的にアクティビティを行うよう促されることになります。

また、学生に評価をフィードバックする場合には、採点結果として点数だけではなく、ルーブリックを返却することも重要です(例えば、実際に学生にフィードバックするため採点したルーブリックがこちらです)。こうすることによって、学生たちには自分の成果物のどの部分がどう評価されたのか、をより明確に伝えることが可能になるでしょう。


活用例:福大生のためのキャリアデザイン / 早期臨床体験Ⅰ / アカデミックスキルズゼミⅠ / FEⅠ、他(桜井) / 生物科学実験Ⅰ

ポートフォリオ

学生たちの提出物や作成物などの学修成果を一定期間にわたって集積したものを言います。ポートフォリオを作成することで、学生たちは自分自身の学修の履歴やプロセスを振り返ることができるようになります。


活用例:医学概論Ⅱ / FEⅢ(林)

連続ミニッツペーパー

通常のミニッツペーパーは、毎回の授業ごとにそれぞれ一枚ずつ配布しますが、連続ミニッツペーパーは、一枚の用紙を15回の授業を通じて活用します。これにより、「これまでどんなことを書いてきたのか」を教員も学生自身も通覧できるようになるので、通常のミニッツペーパー作成よりも、学生の反省的思考や自律性の育成がさらに促されることが期待できます。また、副次的な効果として、「毎回同じようなことを書く」学生の減少も期待できるかも知れません。ちなみに、こうした形式のミニッツペーパーは、「大福帳」とも呼ばれます。


活用例:FEⅠ、他(桜井)

便利グッズ

ポストイット

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学生一人一人に自分の意見や質問を書き出させるために使うのが一般的な使い方です。主に、議論の初期のアイデアだしの段階で、学生全員が参加できる場作りのために使うことが多いでしょう。ポストイットを使えば、発言することに少しためらいがある学生でも意見や質問を出すことができますし、書き出された意見や質問を、さまざまなものに貼り付けて通覧したりすることもできます。また、いったん貼られたポストイットは自由に貼り直して位置を変えることができるので、簡単に簡易版のKJ法を行うことができるのも大きなメリットです。


活用例:歴史学入門演習

スケッチブック

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スケッチブックは、グループでディスカッションを行う際、簡易版のホワイトボードとして活用します。ホワイトボードと違って軽く携行性があり、10冊程度は教員一人でも簡単に運ぶことができるのが大きなメリットです。消耗品ではありますが、100円ショップで購入できるので、さほどコストはかかりません。


活用例:歴史学入門演習 / フレッシュマンセミナーⅡ

イーゼルパッド

A2サイズの大型のポストイットです。イーゼルがついているので、自立させることができます。これ一つで、グループディスカッションのためホワイトボートとして活用したり、ポスター発表に活用したりすることが可能です。紙製なので軽く、折りたたんで持ち運びもできるので使い勝手はよいのですが、値段が少々高めなのがネック。少々の書き損じで気軽に捨ててしまうような使い方をすると、予想外に大きなコストがかかってしまうため、一枚一枚丁寧に使う必要があります。


活用例:歴史学入門演習 / アカデミックスキルズゼミⅠ / アカデミックスキルズゼミⅡ / FEⅡ、他(高田)

NUボード

欧文印刷株式会社が販売している携帯式のホワイトボードで、スケッチブック型の形状をしています。スケッチブックのように使うこともできますが、自立させることもできるので、通常のホワイトボードやイーゼルパッドのように使うことも可能です。


活用例:歴史学入門演習



ホワイトボード

携帯用のホワイトボード。グループで議論するのに活用します。イーゼルパッドと違って消耗品ではなく、繰り返し使えることがメリット。ただし、大きめのホワイトボートを使う場合、机の上に置くスペースが足りなくなる場合があります。そういった場合には、イーゼルを別に用意して、立てかけて使うと視認性がよくなります。

また、ホワイトボードには、枠の部分にマグネットがついたものものあります。マグネット付きのホワイトボードは、黒板に貼り付けることができるのが大きな特徴です。グループで議論した内容をホワイトボードにまとめさせれば、そのまま黒板に貼ってクラス全体で内容を共有できますし、ポスター発表をさせることも可能です。


活用例:社会数理のため数学実習Ⅰ

デジタルタイマー

マグネットで黒板に貼り付けることができる大型のタイマーで、アクティブ・ラーニングのツールとして教育開発支援機構で貸し出しを行っています。このデジタルタイマーには大きなメリットが二つあります。

一つは、グループワークの時間管理が飛躍的に容易になるということです。読む、考える、書く、話し合う、などの5分~10分程度のワークを、複数のグループで同時に実施させるような場合、どうしてもグループごとに作業時間がずれてきてしまいがちです。しかし、デジタルタイマーを活用することによって、複数のグループの作業を簡単に同期させることができます。

もう一つは、「大教室でもこれ一つあれば十分!」というくらいに視認性が高いことです。後方の座席からでも容易に見ることができるので、学生たち自身も、残りの作業時間がどれくらいあるのか、しっかり時間管理しながらグループワークを行うことができるようになります。

授業にグループワークを導入すると、時間が足りなくなったり、グループごとに作業時間がばらばらになったりするケースはしばしば生じますが、デジタルタイマーの活用によってこうした問題はある程度は緩和することができるでしょう。


活用例:教育原論

CREDO Sheet

ベネッセが発行している『Project Support Notebook』に含まれているグループワークのためのワークシートの一つ(‘credo’ は、「信頼する」を意味するラテン語)です。学生たちは、credo sheet にまず自分たちがグループで定めたグループワークでのルールやミッションをそれぞれ記述し、グループワークを行うごとに、自分がそれぞれの「credo」を満たすような活動ができたかどうかをチェックして記入します。credo は簡単すぎたり、難しすぎたり、抽象的すぎたりすると意味がありませんが、適切な credo sheetを作成することができれば、より意識的で目的を持ったグループワークを期待することができるでしょう。


施設・設備

Moodle

本学に導入されているLMS(Learning Management System)です。Moodleを活用することによって、教員と学生は、教材や成果物を電子媒体でインタラクティブにやりとりできるようになります。たとえば教員は紙媒体で教材を印刷しなくても、電子媒体で簡単に提供することできますし、学生は教員にレポートや課題を電子媒体で提出することができます(学生が提出した成果物に、教員がコメントを付けてフィードバックすることも可能です)。Moodleの利用を希望される先生は、希望する授業科目ごとに情報基盤センターに申請する必要があります。


活用例:情報処理概論 / 物理科学入門/ 物理の世界/ 医学概論Ⅰ/ 医学概論Ⅱ / アカデミックスキルズゼミⅠ

レスポンスアナライザー

学生の意見を聞くのに使うツールです。代表的なものに、学生がリモコンのような専用ツールを用いて回答する「クリッカー」があります。一般に、「レスポンスアナライザー」という単語は機器を指すことが多く、機器を含むシステム全体を含めて指す場合は、「オーディエンス・レスポンス・システム」と呼ばれます。レスポンスアナライザーを活用すると、大人数の意見をグラフ化してまとめることも簡単にできるので、特に大規模クラスでのアクティブ・ラーニングに効果を発揮します。挙手をして発言することが苦手な学生たちの意見も聴取できますし、何より「他の学生たちがどんなことを考えているのか」を可視化することで、学生たちの考え方や見方の相対化を促すことができるでしょう。ちなみに、レスポンスアナライザーは2号館の2B1・222・231教室に設置されています。

また、教員個人がスマートフォンを使うオーディエンス・レスポンス・システムを提供している業者と契約する必要はありますが、そうしたシステムを活用すれば、基本的にどの教室でも(Wi-Fiが設置さえされていれば)、スマートフォンから学生に回答をさせることは可能です。スマートフォンを使うオーディエンス・レスポンス・システムには、「イマキク」や「レスポン」などがあります。クリッカーでは、器具の特性上択一式のクイズしか実施できませんが、スマートフォンを用いたシステムでは、自由記述式の応答も可能です。


活用例:物理科学入門 / 物理の世界 / 医学概論Ⅰ / 臨床医学入門Ⅰ / 生物化学C / 情報化学、他 / 市場分析論、他

学生スタッフ

※準備中

AL用ツール貸出

教職員の皆様に、アクティブ・ラーニング等を実施する際に有用な備品(ホワイトボード、タイマー等)の貸出を行っています。

【備品一覧はこちら

福大生のための学習ナビ

福大生として学ぶための基礎知識と指針とを提供することを目的に、毎年新入生に配布しています。

「プレゼンテーションの仕方」や「グループ発表の準備の仕方」などのスタディスキルの習得についても説明していますので、是非ご活用ください。

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